夏バテしやすい日本の気候、とても疲れやすい季節です。
この季節は想像以上のエネルギーを消費します。さらに歳を重ねるともっと疲れやすくなります。
疲労といえば使いすぎて筋肉が傷むというイメージが先行しがちですが、
実は疲労時は運動や湿度等に対応するために呼吸や発汗等を調整している自律神経の中枢が疲弊し機能が乱れる状態です。
例えば湿度が高くなると汗が蒸発しにくくなり体内に熱がこもるようになります。これが体に大きな負担を与え体力を消耗させます。
夏は冷房の効いた室内と暑い屋内を行きするため血管の拡張(副交感神経)と血管の収縮(交感神経)を繰り返すことで体温調節の役割を担う自律神経の働きが乱れがちになります。
つまり「冷房病」や「暑気あたり」「紫外線」の影響で疲れやすい季節といえます。
これらが原因で食欲が落ちたり、熟睡できなかったり、冷えによる血行不良で免疫力低下、こうした要因が重なって起こるのが夏バテです。
【夏バテだけとは限らない疲れの真相】
しかし疲れの原因は全て夏バテのせいではありません。誰でも歳を重ねると様々な体の変化があります。
これが夏の疲れをさらに悪化させていることも・・・。
まずは夏バテを解消、それから他の疲れがないか見極め生き生きとした身体づくりを行い毎日に役立ててみましょう。
【基礎代謝量の低下】
疲れの原因は歳を重ねる事により基礎代謝の低下にも関係しています。
基礎代謝とは生きていくために最低限必要で自分の意志とは関係なく、眠っている間でも絶えず使い続けるエネルギーのことで私たちが一日に消費するおよそ7割を占めると言われています。
ところが歳を重ねるとともに基礎代謝は低下、しっかり食べていても、しっかり眠っていてもエネルギーを利用しにくくなってきます。
これが疲れの一因になります。
夏の食事は口当たりのよいひんやりしたものに偏りがちになります。
たとえ栄養バランスが摂れていても胃腸が冷えると消化の働きは低下し基礎代謝に必要な栄養素も吸収されにくくなります。
【どのようにして基礎代謝の低下を食い止めるか?】
筋肉量の維持、増進。
筋肉量の多い人は基礎代謝が高いこともわかっています。残暑が厳しいからといって室内ばかりで過ごさず体を動かして筋肉量が低下しないように心がけましょう。
朝夕が過ごしやすくなるこれからの季節、涼しい時間帯や出勤前、出勤後にウォーキングをしたり、職場内にて皆で声を掛けあいながらスクワットをするのもいいですね。
食事では筋肉の材料になるたんぱく質(肉、魚)をしっかりとり、代謝を助けるミネラル(果物、野菜、海藻)を意識して摂取しましょう。
こうしたことを意識しても身体の変調を感じたり、疲れが取れにくい時は、まず周囲の人たちが積極的に声をかけあい様子を見ていきましょう。
●部下の疲れている状態が長引いている場合は・・・
夏の疲れから自律神経が正常に働いていない可能性もあります。身体の疲れから心の疲れになる場合が多くありますのでその時はすぐに相談できる環境づくりも重要になってきます。
産業カウンセラー
大槻 久美子