北海道ではマイナス30度を記録して驚きましたが、まだまだ厳しい寒さが続いています。
インフルエンザが大流行し、学校閉鎖も増え続けているようですが、 みなさん、体調は崩されていませんか?
みなさんは、「ハーブ」「メディカルハーブ」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
「ハーブ」とは、生活に役立つ香りのある植物のことです。 緑茶を日常飲む方も多いと思いますが、この緑茶も
れっきとしたハーブです。 そして、ハーブに含まれる成分を、私たちの健康維持や美容に役立て活用し ようとする
分野を「メディカルハーブ」と呼びます。 人は、はるか昔から、病気やケガの時に身の回りにある薬草を用いて、
自らを癒してきました。 薬(化学合成薬)が登場してからは、植物を使った治療は表舞台から姿を消していましたが、
近年また注目を浴びています。私たちには生まれながらにして「自然治癒力」が備わっています。自然治癒力とは、
生物に備わっている、病気やケガを自ら守ろうとしたり、元に戻そうとする力のことです。健康で元気に過ごす為に、
ハーブを活用して、自分の中に眠る自然治癒力を呼び覚ましてください。もちろん、緊急の症状や外傷には、
迷わず病院に行かれることをお勧めします。
今回は、風邪やインフルエンザの予防やひき始めにお勧めのハーブをご紹介します。
「エキナセア」
学名:Echinacea purpurea
科名:キク科
使用部位:地上部・根部
エキナセアは、「免疫力を高めるハーブ」と呼ばれています。 免疫力とは、体内に入った異物、ウイルス、細菌などに
対抗する力のことです。 免疫力を高めることにより、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなります。
風邪やインフルエンザなどをひいてからではなく、予防に活用されるのがお勧めです。
エキナセアは、北米の先住民がもっとも大切にしたハーブで、「インディアンのハーブ」とも呼ばれます。
伝染病や毒蛇にかまれた時などに用いられてきました。第2次世界大戦後に、ドイツなどで科学的研究が進み、広く
知られるようになりました。風邪やインフルエンザの予防以外に、膀胱炎やカンジダ、 尿道炎などの泌尿器感染症、
治りにくい傷に用いられています。 ハーブティーにすると、かすかに甘い香りがします。
苦みや酸味はありません ので、癖がなく、比較的飲みやすいです。 単体でも、他のハーブとブレンドしても楽しめます。
ブレンドする場合のお勧めハーブは、ローズヒップです。 キク科アレルギーの方、エイズなどの進行性自己免疫疾患の方
は、使用を控えて下さい。また、風邪やインフルエンザの予防の為には、2週間飲んで1週間休む、というように、
長期間連続して使用しないようにして下さい。
「ローズヒップ」
学名:Rosa canina
科名:バラ科
使用部位:偽果
ローズヒップは、別名「ドッグローズ」(犬のバラ)とも呼ばれています。
薬効が高い為、ローマ時代には狂犬病の犬に噛まれた時に効くと使われていたようです。
ローズヒップには、多くのビタミンやミネラルが含まれていますが、中でもビタミンCはレモンの20~40倍も含み、
外観がラグビーボールに似ていることから「ビタミンCの爆弾」と呼ばれています。 ビタミンCは、高い高酸化力で
老化予防や、美肌に必要とされるコラーゲンの生成にも関与することから、美容効果も期待されています。
コラーゲンは、細菌やウイルスの侵入を阻止する粘膜を構成している成分でもある為、ビタミンCを摂取することは、
細菌やウイルスの侵入を阻止する力を高めることにつながります。 また免疫を維持し、風邪予防に欠かせない栄養素で、
不足すると、免疫力の低下につながります。 感染症や炎症、長期間のストレス状態が続くと、ビタミンCが消耗されます。
ビタミンCを消耗した時の補給にもローズヒップはお勧めです。 一緒に含まれているフラボノイドという成分は、
ビタミンCの働きを補強するとともに、便通を促す作用もある為、便秘の改善もサポートしてくれます。
ビタミンCの爆弾と呼ばれるほどですから、味はさぞ酸っぱいかと思われるか もしれませんが、ローズヒップ単体では、
ほんのりと酸味を感じる程度です。 ハイビスカスとブレンドされたティーが有名ですから、ハイビスカスの酸味 を、
ローズヒップだと勘違いされているかもしれません。 ドライトマトのような香りがかすかにします。
ローズヒップのティーには、水溶性食物繊維が豊富ですが、飲んだ後の果実部分には、不溶性食物繊維が含まれて
いますので、食べることをお勧めします。 ヨーグルトに入れたり、はちみつをかけて食べると、ローズヒップ丸ごとの
食物繊維が摂取できます。 ハーブは、信頼できるお店で購入してください。 ローズヒップは、スーパーでも
見かけるようになりましたので、 手軽に試しやすくなりました。
では、ハーブティーの入れ方をご紹介します。
【用意するもの】
・ハーブ
・ティーポット
・カップ
・ティースプーン
① ハーブを入れる:ハーブの量は、カップ1杯に対して、ティースプーンに山盛り1杯が目安です。
② お湯を注ぐ:沸騰した直後のお湯をゆっくりティーポットに注ぎます。
③ 抽出する:ティーポットのふたをして、3~5分かけて、ゆっくり成分を抽出します。
エキナセアは3分、ローズヒップは3~5分が目安です。
④ 注ぐ:温めておいたカップに注ぎます。最後の1滴まで注ぎ入れて下さい。
ハーブティーの有効成分は、主に水溶性の為、飲んだ後は時間がたてば体内で代謝されて、体外に尿として、
排出されます。ですので、数時間おきに 飲む方が効果的です。ゆったりした気持ちで香りも楽しみながら、
ハーブティーを飲んでみて下さい。
ハーブの力も借りて、心も体も元気を目指してみてはいかがですか?
産業カウンセラー ハーバルセラピスト
手錢千晴